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『六月の満月』(一雫ライオン)ができるまで③

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(「『六月の満月』(一雫ライオン)ができるまで②」はこちら

 

2022年は本当だったら『六月の満月』執筆スタートの年になるはずでした。ところが、ライオンさんが上咽頭ガンを患っていることが発覚し、病魔と戦うことに。

私は以前、恩人がガンにかかった際に帝釈天に行って病気平癒のお守りを渡ししたことがあります。その方が元気に過ごしていらっしゃることにあやかって、「ライオンさんも」との思いで帝釈天に行きました。そして、僕が使っていた「あしたのジョー」の日めくりカレンダーと一緒にライオンさんに病気平癒のお守りを渡しました。もっとやるべきことやできることはあったかもしれないけど、ライオンさんと私の関係を考えると、それくらいの方が応援になるかな、と。ベタベタした関係を好きな人ではないので、「待ってますからね」と思いがしっかり伝わればそれでいいと考えていました。

2月中旬、ライオンさんは抗がん剤治療(1クール目)のため7日間入院しました。全6クールの抗がん剤治療を行う予定で、それぞれのクールにつき最低1週間入院することになっていたそうです。基本的に連絡は遠慮しようと思っていたのですが、『二人の嘘』のことで連絡することもいくつかあり、その都度ライオンさんからも返信をいただきました。短い文章とともにこんな写真も。

娘さんと息子さんからのメッセージに思わず涙ぐんだりもしました。「あしたのジョー」の日めくりカレンダーも置いてくださっていて、「渡してよかった」と思ったり。

おそらく僕に気を使ってのことだったと思うのですが、ライオンさんの返信は短いながらも前向きなものが多かったように記憶しています。また、2022年の手帳を見返すとメモ欄のところに「『六月の満月』のこと」と書いている日がありました。おそらくライオンさんと『六月の満月』のやり取りをしていたのだと思います。でも、後に聞いたところによると、やはりこの時期はまだ痛みも強かったとのこと。また、入院中は24時間点滴に繋がれた状態で、抗がん剤や利尿剤など様々な薬を投与していたということも後々ライオンさんから聞きました。そんな時期に返信をもらっていたことに感謝するとともに、不勉強な自分を反省しました。

2022年3月上旬。手帳には、1クール目の抗がん剤治療を終えて退院したライオンさんと会う時間と場所が記されています。私は手帳を見返して後日書き込みをすることが多いのですが、手帳のその日の欄には「ライオンさんを励ますことはできただろうか」と書いてあります。この日も『六月の満月』のことや、その時期にライオンさんが取り掛かっていた『流氷の果て』の話をしたのだと思うのですが、僕はどこかで気もそぞろでした。会うなりライオンさんにこう言われたからです。

「やっぱ抗がん剤の影響で、髪、抜けちゃいましたよ」

かぶっていたニット帽を取ったライオンさんを見て、ライオンさんが何と戦っているのかを改めて思い知らされました。僕がショックを受けるのは、戦っているライオンさんに失礼です。でも、どこかで「ライオンさんは大丈夫」と思っていた僕は、髪の毛が抜けたライオンを見て、やっぱりショックを受けてしまったのだと思います。そんな自分への不甲斐なさゆえか、「ライオンさんを励ますことはできただろうか」なんてことをメモってしまったんだなと今にして思います。

↓『六月の満月』のあらすじ


やっぱり長くなってしまうので、続きはまた近日中に。