日々の仕事Blog
能町みね子さんの新連載「ふるさとづくり」が始まります
カテゴリー:
青森駅で「財布がない」と大慌てして、駅員さんたちの心温まる優しさのおかげで紛失せずに済んでから、約2ヶ月。ついに、能町みね子さんの新連載を始めるはこびとなりました。
※能町さんとの青森での打ち合わせの詳細(というほどじゃないけど)はこちらです。
タイトルは「ふるさとづくり」。noteにて月2回程度の不定期連載予定です。
記念すべき第1回目の記事は本日(8月25日)アップしました。
東京と青森の二拠点生活を数年続けている能町さん。「その二拠点生活の全貌を綴る」みたいな意気込みだったのですが、やり取りをしている中で、能町さんが「そもそも避暑がしたかった」という初期衝動を思い出したあたりから、予測不能の面白さがグググッと増していきました。こういうの、僕は結構好きです。
一冊の本を作るにはもちろんテーマが大事なのですが、そのテーマに固執してしまうと、「これ、面白いんだけど、テーマから外れるなあ」みたいな成分を外してしまいかねません。結果としてテーマに沿った一冊には仕上がるんだけど、体脂肪率が低過ぎるというか、迷いがない一冊になりすぎるというか。綺麗にまとまってはいるんだけど面白みに欠ける、みたいなことになってしまうリスクもあるような気がします。テーマだと思っていたもののさらに奥に本当のテーマがあった、なんてことに気づくこともありますし。
今回の連載は「二拠点生活」から出発したので、それがテーマだと思って能町さんとやり取りしていたのですが(実際にテーマに一つではあると思います)、能町さんから「ふるさとづくり」というタイトルを聞いた時に、「そっちの方が面白そう」と直感的に思いました。うまく言えないのですが、入れ物として大きい感じがしたからです。体温も感じるし、テーマが複数あっても許容してくれそうだし、能町さんが書きながら見えてくる何かも、このタイトルなら入れられそうですし。
そんなこんなの「ふるさとづくり」。第1回目から「さすが能町さん」の面白さです。肩肘張らずに読めて、気づけば思いもしなかった出口に辿り着いている感じ。その出口が次の入り口につながるのだと思うのですが、僕も2回目以降がどんな内容になるのか全く知りません。「わからないけど面白い」という感覚を味わえることの喜びを噛み締めながら、次回の原稿を待とうと思います。どうぞお楽しみに。