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『六月の満月』(一雫ライオン)、完成まであと少し
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一雫ライオンさんの書き下ろし長編小説『六月の満月』が、だいぶ面白い作品に仕上がりつつあります。
思い返せば、一番最初に原稿をいただいたのが今年の4月3日でした。そこから打ち合わせと修正を繰り返し、第4稿をいただいたのが10月5日。6ヶ月に渡って作品を良くするためのやりとりをしたことになります(この間、ライオンさんは日刊ゲンダイも長編小説『十二の眼』を連載していました。つまり、長編小説2作品を同時進行です)。
まだ世に出ていない作品なので詳細を書くのは憚られますが、先日自分のノートを見返して……「結構大胆な依頼をしたんだなぁ」と思ってしまいました。初稿の原稿をいただいた後の打ち合わせで、「3人の主要登場人物の性格に関する相談」「ある登場人物の存在意義に関する相談」「展開をスピードアップさせるための相談」という3つの相談をライオンさんにしました。この3つに付随した「小さな相談」が10数個。そして原稿には細かくあれこれと書き込んでいて……。
「嫌がられるかなあ」と怯んだ記憶もありますが、ライオンさんは僕からの相談に対して「じゃあ、ここはこうするのはどうですか?」「この人物はこういうふうにした方がいいですかね」と、さらなるアイデアを乗っけてくれました。
打ち合わせで著者を話したことを忘れないためにも、僕はノートにメモを取るようにしているのですが、ライオンさんとの打ち合わせの後のメモで、僕は「この作品は絶対に良くなる」と書いていました。僕の提案の中にはライオンさん的に「それはどうかなあ」と思ったものもあるはずです。「そこを直したら、全面改稿になるよ」とうんざりしたかもしれません。でもそこでライオンさんは「さらに面白くするためのアイデア」を絞り出してくれた。そんな人が書く小説が面白くならないはずがありません。
『六月の満月』、あとちょっとで作品が仕上がるところまで来ました。哀しくも重たい過去を抱える3人の男女が、「どうせつづいていってしまう毎日」を必死に生きる物語です。どうぞ楽しみにお待ちください。